| 続・塩酸ドネペジルの使用経験 | |
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以前「どんたくアカデミー」に投稿した症例のその後について報告します。 <1999年12月22日(水) どんたくアカデミーより抜粋> まだ日も浅く,例数もきわめて少ないため多くを述べることはできませんが,塩酸ドネペジル(アルツハイマー型痴呆治療剤)を使用して2週目頃から痴呆その他の精神症状が著明に改善した患者さんがおりましたのでお知らせしておきます。 その方は,記銘力障害・感情失禁・心気症状が主症状のアルツハイマー型痴呆の女性です。発症してまだ日が浅いとは言え,中程度の痴呆と著明な感情失禁があり,正直なところ本剤の効果はあまり期待していませんでした。しかし,投与開始2週目頃より情動面での改善が認められるようになり,同時に困惑や記銘力障害その他の精神機能も改善傾向を示しました。その後も経過は良好で現在外泊中であり,家族も「8〜9割本来の姿に戻った」と大変喜んでいます。 ただ,本例は抗精神病薬も使用しており,たまたま塩酸ドネぺジルの投与と病状改善の時期が一致したのかもしれません。引き続き経過を追い考察していくつもりです。 この方は結局,約一ヶ月半の入院の後に退院されました。その後,病状は一進一退で時に著明な感情失禁を呈することもありましたが,ご家族(身障者1級の夫と娘夫婦)の協力もあり再入院することもなく,現在は比較的精神症状も安定しています。 この症例で考えたいことは,やはり痴呆の治療にはご家族の協力が不可欠であるという至極当然なことです。しかし反面,痴呆性老人を抱える介護家族は心身ともに過酷なものがあるでしょう。私たちの仕事はそうした家族全体をひとつの治療対象と考え,その健康状態や人間関係に配慮しながら在宅生活が可能なよう支援していくことだと考えています。 | |