介護度判定プログラム構築の経緯
|
| 介護保険制度における要介護認定はどのようにおこなわれるか |
- 要介護認定は、介護サービスの必要度(どれくらい介護のサービスを行う必要があるか)を判断するもので、その判定は客観的で公平な判定を行うため、コンピュータによる一次判定と、それを原案として保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定(介護認定審査会)の二段階で行います。
- 市町村及び特別区は申請を受けると調査員を派遣し、73項目の基本調査項目と12項目の特別な医療に関しての項目の計85項目について聞き取り調査を実施し、その結果をコンピュータに入力し一次判定を行います。
- 介護認定審査会では、コンピュータによる一次判定の結果及び「かかりつけ医の意見書」と、それぞれの特記事項よりコンピュータにのはじき出した一次判定が妥当であるかの判定を行います。当然のごとく最終判定においては、コンピュータによる一次判定の結果を変更するに足る充分な事由がある場合は、それを踏まえて一次判定を変更することができます。
|
| コンピュータによる一次判定とは |
- 厚生省は、約3,400人の施設入所老人について介護の手間を調べた「1分間タイムスタディ・データ」と、独自に開発した樹形モデルと呼ばれる手法を用い、要介護認定等基準時間を推定することにより行われます。
- ところが、平成10年度のモデル事業では一次判定の結果にバラツキがあり、とても介護認定に使えるような結果は得られませんでした。そこで厚生省は、基本調査項目73項目を7群(麻痺拘縮、移動、複雑動作、特別介護、身の回り、意志疎通、問題行動)に分け、これを中間評価項目とし、樹形モデル中で選択肢として用いることにより一次判定のバラツキを押さえ、安定した一次判定結果をえようと試みました。
- 樹形モデルは5つの分野、すなわち直接生活介助(整容、入浴、排泄、移動、食事摂取)、間接生活介助、問題行動関連介助、機能訓練関連行為、医療関連行為の計9つ用意され、そのすべての合計が要介護認定等基準時間となり、自立・要支援・要介護1〜5が判定されます。
|
| 一次判定プログラムを検証する |
- 一次判定プログラムについては、平成10年度のモデル事業においては非公開でしたが、今回本実施を前にそのロジックが公開されました。その中身をみると、中間評価項目の「問題行動」が枝分かれの選択肢に多用されていることに気付きます。ところが、厚生省が示した要介護度別にみた中間評価項目の平均得点をみると、「問題行動」のあるなしは介護度にほとんど関与していません。ちなわち、「問題行動」は樹形モデルの分岐枝としては不適当であるということになります。(致命的な問題点)(これは説明不能!!!)
- この樹形モデルの不具合に対し厚生省は、『要支援状態及び要介護状態区分別状態像の例』という「問題行動」のあるなし別に要支援から要介護5までの代表的状態像のそれぞれ5例づつ示し、この『状態像の例』とコンピュータによる一次判定を打ち出した「介護認定審査会資料」との照合作業を介護認定審査会における二次判定の主要部分と位置付けています。ようするに厚生省は一次判定プログラムの重大な欠点を介護認定審査会の二次判定というフィルターを通すことで妥当性を確保しようとしているのです。
- そこで、一次判定プログラムを検証することを目的として公開れたロジックに沿って、介護認定審査会資料のフォーマットに準じた介護度判定プログラムを構築しましたのでここに公開いたします。
- 使用にあたっては、このプログラムは私個人が独自に開発したものであり、その判定結果を保証するものではないということに充分ご留意ください。
|
| 二次判定支援コマンドへの挑戦 |
- 一次判定プログラムのロジックを検証してみると、二次判定がどうしてこの様なシステムになったのかが見えてきます。まさに、厚生省の示した二次判定の手引きは、一次判定プログラムの不備を補填(修正)するということにあります。先にも述べましたが、一次判定のバラツキを押さえようと採用した中間評価項目を樹形モデルに採用し、皮肉にも状態像とは異なる基準時間をはじき出す可能性を増やしてしまったのです。これを充分に認識してはいる厚生省は、時間的制約、メンツもあり姑息的な二次判定の手法として『要支援状態及び要介護状態区分別状態像の例』、『日常生活自立度の組合せによる要介護度別分布』、『介護度別にみた中間評価項目の平均得点』などを示し、状態像を反映できない一次判定プログラムの不備を補おうとしているのです。
- それでもこの一次判定プログラムは介護認定に使われるのです。だったら厚生省の思惑に乗って徹底した一次判定結果と状態像の照合を二次判定で行うしかありません。そのための材料として、『日常生活自立度の組合せによる要介護度別分布』、『介護度別にみた中間評価項目の平均得点』は状態像から介護度を推定する指標として使える可能性をもっています。
- 『日常生活自立度の組合せによる要介護度別分布』は「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)」と「痴呆老人の日常生活自立度」の組合せ別に、自立〜要介護5がどの程度の割合で出現するかを、平成10年度のモデル事業の調査結果もとに試算したものですが、幸いにもこのデータについては日医総研が統計学的相関関係を明らかにしているので、それを使うことによって新たな二次判定支援コマンド@を考えてみました。
|
| 二次判定支援コマンドへの挑戦2 |
- 次の挑戦は『介護度別にみた中間評価項目の平均得点』を二次判定の材料として使おうという試みです。中間評価項目は一次判定のバラツキを押さえようと樹形モデルに採用されましたが、返って悲惨な結果を生むことになりました。その尻拭いをまた中間評価項目にさせようということですので問題がないわけではありません。ただ、この中間評価項目は状態像を表す指標としてはスコアで表されており、使いようでは威力を発揮すると考えました。あてにならない一次判定プログラムよりはましだということですが、、、
- そこで考えたのが7つの中間項目別の平均得点と審査例の得点の距離を算出し、それに中間評価項目別の介護度との相関係数を掛け合わせ近い介護度を選び出そうというものでした。ところが厚生省の資料ではN数も分布も解らないので、相関係数を求めることなどとても無理でした。ところがまたまた日医総研が独自のデータを使い、中間評価項目と要介護度の関係を明らかにしました。このおかげで二次判定支援コマンドAとして復活いたしました。
|
| 二次判定支援プログラムへと変貌 |
- 介護度判定プログラムは、《レーダーチャート》、《寝たきり度・痴呆度別の推定要介護度》、《中間評価項目の得点分布から見た推定要介護度》の機能を追加し、二次判定支援プログラムへと変貌しつつあります。プリントアウトに関してもブラウザのフォント選択で文字の大きさ"小"を選択することで、A4サイズ1枚で可能となりました(NNに関してはわかりません)。使い方次第で認定審査会の効率化、要介護度判定の精度向上に役立つと思います。どうぞ、実際に認定審査に携わる方は一度お試しください。
|
- 私と同じ医師会の安達先生(介護度判定プログラムのレーダーチャートを作ってくれました)がとても実用的で優れものの介護認定審査会用のツールを開発しました。それは介護認定審査会補助資料作成プログラムと言いまして、介護認定審査会の中間得点評価の際、厚生省指定の状態像の例と類似したものを探す手間を減らす為の資料作成を簡単に行うものです(右はその画面)。塩谷郡市医師会のページよりダウンロードできますのでぜひお試しください。安達先生も私も行政にこれで使った資料を介護認定審査会の時に準備してもらう予定です。
|

|
|
介護度判定プログラムのバグ情報・ご意見等は尾形新一郎まで.... |
|
| 介護度判定プログラムの更新履歴 |
| ver 1.31(2001.01.12) |
- 警告コードNo.81『左右上肢・左右下肢が麻痺にもかかわらず、「常時の徘徊」が「3.ある」』の取扱についてのバグを修正
|
| ver 1.30(2000.01.22) |
|
|
| ver 1.22(1999.11.29) |
- 医療関連行為の基準時間の算出のところで、小数点以下の処理課程でのバグを修正
|
| ver 1.21(1999.11.21) |
- 麻痺の「その他」の取扱についてのバグを修正(10月末ぐらいに修正済みでしたが、公表が遅れてしまいました。申しわけございませんです)。
|
| ver 1.20(1999.9.30) |
- 二次判定支援コマンドAとして「中間評価項目の得点分布から見た推定要介護度」を追加
- 介護認定審査会用ツールとして利用を考慮し、「現在の状況」の項目を外す。これによってプリントアウトがA4サイズ1枚で可能
|
| ver 1.10(1999.9.28) |
- 二次判定支援コマンド@として「寝たきり度・痴呆度別の推定要介護度」を追加
|
| ver 1.04(1999.9.26) |
- レーダーチャートの表示を手直し
- 樹形モデルの基準時間の誤入力を修正
|
| ver 1.03(1999.9.25) |
- レーダーチャートを設置(中間評価項目の平均得点も同時に表示)
- 日常生活自立度の項目を入力画面に追加
|
| ver 1.02(1999.9.24) |
- 回答が一つのものについては自立度の高いものに初期値を設定
- 例外事例の検出を追加
|
| ver 1.01(1999.9.23) |
|
|
| ver 1.00(1999.9.22) |
|
|
| ver 0.01(1999.9.13) |
|
|
|
| [戻る] |
Copyright(c) yahho-kaigo.jp All rights reserved |
|