介護認定、ほど遠い平準化!!
 5月末現在の栃木県の介護認定実施状況のデータを入手した。残念ながら4月末時点でのデータが手元にないので、4〜5月分をまとめて計算してみました。

 下の表は累計と月ごとの推移をまとめたものです。累計での変更率は26.4%ですが、4〜5月の変更率は29.3%となっており、僅かづつではありますが上昇してきています。それと、このデータはもう一つの興味ある結果を示しています。1段階上昇と1段階下降のところを見てください。明らかに介護度を上げる変更が減って、下げる変更が増えてきています。この変化は今までどちらかというと一次判定に引っ張られる傾向のあった二次判定が、その傾向を緩め、状態像すなわち介護の手間に重きを置く審査法に徐々に変移してきたことを示すものだと思います。一次判定を原案とする審査法が間違っているという認識が少しずつですが浸透してきたということですね。

99年10月〜00年5月まで

〜1月(再掲 )

  2月(再掲 )

 3月(再掲 )

 4〜5月(再掲 )

3段階超上昇

8

0.0%

5

0.0%

1

0.0%

1

0.0%

1

0.0%

2段階上昇

337

1.1%

200

1.1%

46

1.0%

63

1.2%

28

0.9%

1段階上昇

6,006

19.1%

3,521

19.0%

911

19.5%

1,051

19.9%

523

17.5%

変更なし

23,133

73.4%

13,806

74.4%

3,418

73.1%

3,791

71.7%

2,118

70.7%

1段階下降

1,951

6.2%

985

5.3%

287

6.1%

368

7.0%

311

10.4%

2段階下降

68

0.2%

36

0.2%

8

0.2%

12

0.2%

12

0.4%

3段階超下降

11

0.0%

2

0.0%

4

0.1%

4

0.1%

1

0.0%

変更率 8,381
/31,514
26.4% 4,749
/18,555
25.6% 1,257
/4,675
26.9% 1,499
/5,290
28.3% 876
/2,994
29.3%

 次に示すのは5月末時点での栃木県49市町村の一次判定と二次判定を比較したものです。変更率は13.9%〜37.8%で、その平均は26.4%です。未だその格差は3倍近くあり、平準化という観点から見れば到底満足できるものではありませんが、もっと恐ろしいものが変更率のウラに隠されているのを見つけました。今までは変更率にばかり目がいっていて、その中身についてはあまり気にしていませんでした。

 すなわち、その変更の内容について調べてみたのです。1段階〜3段階超下降のグループと1段階〜3段階超上昇のグループの比率を各市町村ごとに計算し、その比率を仮に「上下指数」と呼ぶことにします。

 上下指数=1段階〜3段階超上昇のグループ/1段階〜3段階超下降のグループ

 栃木県の場合この上下指数は、0.2〜36.0という分布で、県平均では3.1でした。0.2というのは介護度を上げたものが下げたものの5分の1であったということで、36.0というのはその反対に36倍であったということです。この指数が10を超える市町村が7つあります。逆に1以下の市町村も5つあります。すなわち介護度を上げるものが下げるものの数の10倍以上のところが7市町村、逆に介護度を下げる方が多い市町村が5つということです。ようは同じ変更率であってもその中身を見ると大きな相違があるといことです。

 このような平準化と呼ぶにはほど遠い結果となった原因はいったい何処にあるのでしょう。その原因としては様々なものがあるのでしょうが、上下指数が10を超えているようなところは、相変わらず一次判定偏重の二次判定が行われているのではないかと想像することはあながち間違っていないと思います。一次判定結果はなんら根拠のないデタラメあみだくじソフトが打ち出した結果であるという認識があればこうはならないし、状態像の例を基準とする二次判定ではこのような結果にはならないからです。あるいは千葉県の我孫子市がそうであったように独自の基準で判定している可能性も否定することはできませんが。

 いずれにしろ、この結果を見れば介護保険の原則である公平・公正にはほど遠く、介護認定の平準化という観点から見てもまだまだだということになります。やっぱり、オンボロ一次判定ソフトからはじき出される一次判定が足を引っ張っているのが最大の原因なのでしょうね。この期に及んでも一次判定ソフトを固持し続ける厚生省の姿勢が一番の原因であるということは当然ですが、、、。

 
市町村名 3段階
超上昇
2段階
上昇
1段階
上昇
変更なし 1段階
下降
2段階
下降
3段階
超下降
変更率 上下
指数
O市 1 2 170 692 14 0 0 879 21.3% 12.4
Y市 0 7 79 406 45 2 0 539 24.7% 1.8
K市 1 11 129 648 11 2 0 802 19.2% 10.8
S町 1 10 62 186 35 5 0 299 37.8% 1.8
U町 0 2 73 307 27 1 0 410 25.1% 2.7
T町 0 3 71 261 29 0 1 365 28.5% 2.5
K町 0 2 31 166 27 8 1 235 29.4% 0.9
Y村 0 1 25 133 2 0 0 161 17.4% 13.0
K町 0 1 35 230 1 0 0 267 13.9% 36.0
N町 0 7 112 304 31 0 0 454 33.0% 3.8
N町 0 9 122 415 20 0 0 566 26.7% 6.6
S町 0 3 36 162 10 0 0 211 23.2% 3.9
U市 1 48 1126 4131 394 9 0 5709 27.6% 2.9
M市 0 8 193 676 67 0 0 944 28.4% 3.0
K町 0 4 58 307 37 2 0 408 24.8% 1.6
M町 0 2 46 202 3 1 0 254 20.5% 12.0
K町 0 0 19 127 10 0 0 156 18.6% 1.9
K町 0 1 50 234 53 7 0 345 32.2% 0.9
N町 0 3 43 317 8 1 0 372 14.8% 5.1
M町 0 8 72 273 40 0 0 393 30.5% 2.0
M町 0 7 89 291 30 2 0 419 30.5% 3.0
I町 0 0 21 124 30 0 0 175 29.1% 0.7
H町 0 3 51 257 8 0 0 319 19.4% 6.8
M町 0 1 37 186 19 0 0 243 23.5% 2.0
K町 0 0 43 362 27 0 0 432 16.2% 1.6
B町 0 1 51 236 19 0 0 307 23.1% 2.7
O町 0 0 19 102 20 1 0 142 28.2% 0.9
T市 2 52 454 1047 89 1 0 1645 36.4% 5.6
O市 1 19 374 1771 129 7 5 2306 23.2% 2.8
M町 0 12 128 371 37 2 0 550 32.5% 3.6
I町 0 0 8 204 45 1 0 258 20.9% 0.2
K町 0 1 56 203 14 0 0 274 25.9% 4.1
N町 0 4 105 229 9 0 0 347 34.0% 12.1
O町 0 6 85 234 15 0 0 340 31.2% 6.1
F町 0 7 66 235 20 0 0 328 28.4% 3.7
I町 0 2 72 223 15 0 0 312 28.5% 4.9
T町 0 7 36 150 15 0 0 208 27.9% 2.9
K市 0 19 357 1425 160 4 0 1965 27.5% 2.3
N市 0 0 38 254 27 1 0 320 20.6% 1.4
I市 0 5 222 744 61 2 0 1034 28.0% 3.6
N町 0 1 30 77 4 1 0 113 31.9% 6.2
A町 0 7 60 155 7 1 0 230 32.6% 8.4
A町 0 2 20 98 2 0 0 122 19.7% 11.0
K村 0 0 6 32 0 1 0 39 17.9% 6.0
F町 0 0 24 154 4 0 1 183 15.8% 4.8
A市 0 18 563 2104 85 0 3 2773 24.1% 6.6
S市 1 19 262 1107 133 4 0 1526 27.5% 2.1
T町 0 9 109 360 36 0 0 514 30.0% 3.3
K町 0 3 68 221 27 2 0 321 31.2% 2.4
県計 8 337 6006 23133 1951 68 11 31514 26.6% 3.1

栃木県市町村別一次判定と二次判定の比較 2000年5月末現在

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