小山市介護認定審査会作成の痴呆の状態例について
 栃木県小山市の介護認定審査会は、介護認定審査の際し一次判定が痴呆に対し不十分であるとして、審査会独自の「痴呆の状態例」なる評価法を発案しました。同審査会委員の了解を得ましたので全文を掲載いたします。なお、この評価法は未だ完全なものではなく今後若干の手直しがあるとのことです。

痴呆の状態例
要介護度 状態のイメージ 具体的イメージ事例 痴呆
要支援
  • 生活の一部に見守りを必要とする程度の物忘れがあるが、コミュニケーションにはさほどの支障はない
  • 生活環境が一人暮らしであっても、時おり他者の支援を得ることによって、自立した生活が可能である場合が相当する
  • 軽度の物忘れ、物のしまい忘れがあり探し物が多くなる
  • 同じことを繰り返し話したり尋ねたりすることがある
  • 新しいものの受け入れや、参加することに清極的
  • 外出を好まなくなり、閉じこもり傾向になる
  • 会話の中で、ごまかしが増えてくる
  • 掃除や身だしなみに気をつかわなくなる
  • 約束をしたのに忘れて出掛けてしまう
T
要介護1
  • 支障を来す物忘れや周囲への無関心があり、意志疎通の困雄が多少みられる
  • 生活の一部に見守りや手助けを必要とし自立した生活は難しい
  • しつこく同じことを操り返し話したり尋ねたりする
  • 問題行動があリ対人関係に障害を生じている
  • 不眠や体の痛みなど些細な不調にこだわり、訴え続ける
  • 忘れたという自覚なく、無くなった盗まれたと被害的になり騒ぐ
  • 思い込みや固執が強くなリ些細なことで怒りだす
  • 下着などの衣類の汚れを認知できず、そのまましまい込んだりする
  • 水道の出しっぱなしがある
  • 排便があるのに便秘を訴える
  • 平気で重ね着をし、気がつかないでいる
U
要介護2

要介護3
  • 判断や理解力に乏しく、支障を来す物忘れや周囲への無関心が目立つ状態
  • コミュニケーションに支障を来すことがあり
  • 身の回りの世話が一人で出来ずに、生活の全般に見守りや指示、一部介助を必要とする
  • いくつかの問題行動があり、誰かが注意していなけれぱ日常生活は困難である
  • 夜間覚醒して大声をあげるまたは不快な音をたてる
  • 他の人に対しての暴言や威嚇がある
  • 衣類iなどを収集する、移動させる、または散らかす
  • 食事を済ませたのに食べていないと何度も要求する
  • 他者の行為が理解できず脅える
  • 荷物をまとめて出ていこうとする
  • 自分の物と他人の物の区別ができない
  • ズボンに腕を通そうとしたリ、洋服を着る順序がわからない
  • 物や鏡に向かって話をしたり、意味もなく大声をあげたりする
  • 外出すると病院、施設、家などに一人で戻れなくなる
  • 衣類を脱いで裸になったりする
  • 自分の部屋が分からず、他人の部屋に入リ込みペットに寝たりする
  • 汚れたオムツをしまい込む
  • 介護に対して拒否や暴言がある
V
要介護4

要介護5
  • 理解力がなく、コミュニケーションがとりずらい又は全くとれない
  • 身の回りのことが全くできず、生活全てに全介助を必要とする
  • 多くの間題行動が頻繁にみられ、常時目が離せない
  • せん妄や妄想等著しい精神症状がある

 

  • 人を叩く、物を壌す、着衣を破くなどの暴力行為がある
  • 所かまわず放尿や放使をする、又は弄便がある
  • 過食、あるいは拒食傾向となり、吐くまで食べ続ける
  • 徘徊し、目を離すと外に出ていって行方不明となる
  • 鍋の空焚きガスの付けっばなしで、ぽや騒ぎをおこす
  • 家にいても家に帰ると執拗に外に出ようとし、興奮する
  • 不眠、幻覚症状があり、昼夜かまわず興奮して大声を上げる
  • 火の扱いや、道路の横断など危険に対する認知能力が全く無い
  • 異食行動がある
  • 介護に対して激しく抵抗する
W

小山市介護認定審査会(平成13年1月22日作成)

 私の所属する塩谷町の審査会ではCPSを判定の際の痴呆の尺度として参考にしています。また飯塚市や玖珂郡、我孫子市なども独自の痴呆の判断基準を考案し、審査の際に用いているようです。このように全国各地の審査会では暗中模索を繰り返し、それぞれの判定基準を模索し、公平・公正な認定を目指し頑張っています。

 ここで私が心配するのは、このような独自の評価法をそれぞれの審査会で用いることによって全国一律の判定基準がキープできないということです。これは独自の判定基準を使っている審査会を非難しているのではありません。このような状況に追い込んだ厚生労働省の対応に不甲斐なさを嘆いているのです。

 厚生労働省はオンボロ一次判定ソフトを放置し、一次判定を原案とする二次判定手順を改めないというお粗末な対応に終始するばかりか、痴呆の評価法についても一定の基準を示すことができないでいるのです。オンボロ一次判定ソフト以上にオンボロなお役人さんたちですね。

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